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『地下鉄(メトロ)に乗って』
第63回『地下鉄(メトロ)に乗って』(試写会にて、2006)

 ストーリー:小さな衣料品会社で営業をしている長谷部真次(堤真一)は、携帯の留守電で弟からのメッセージを聞く。絶縁していた父が倒れたというのだ。その日は若くして死んだ兄の命日でもあったが、地下鉄構内でその兄に似た人物を見かけた長谷部は、後を追って外に出る。するとそこは昭和39年の東京だった−

 愛人を作り、仕事優先で家庭を顧みなかった父親を軽蔑していた主人公が、タイムスリップして若い頃の父親に会い、その真の姿を知るという話。一歩間違うと単純なSFものになってしまうところですが、そこは数々の「感動小説」を生み出してきた浅田次郎のファンタジーだけあって、いろいろなファクターが組み込まれていて、深い人間ドラマとなっています。

「父になる前の父親を知っていますか?」
この映画の宣伝文句のひとつにこの文がありますが、若い頃の両親に会って見たい…多くの人が思うことだと思います。また、人生は後悔することばかり、もし昔に戻れたら…そういう気持ちの人も多いでしょう。そういった人たちの思いを実現してくれる、そんな感動作です。

 ただ、抑えすぎて説明不足になってしまった演出は残念。これは1995年の小説なので約30年前にタイムスリップしても計算が合いますが、映画は現代の物語として描いているように見えるため、登場人物の年齢がそれにしては若すぎるという疑問を持ってしまいます。また、劇中でドストエフスキーの小説「罪と罰」が出てきますが、主人公の犯した罪、それに与えられた罰に葛藤する部分などをもっと表現したほうが良かったのでは?その不思議な体験はいったいなんだったのか、単なる夢でその記憶はなくなってしまったのか、あえてあやふやにしたのかもしれませんが、少し消化不良です。

 自分に対する親の思いとは…そんなことを考えさせられる、暖かい気持ちになる一本。『ALWAYS 三丁目の夕日』でも存在感を見せた堤真一をはじめ、大沢たかお、常盤貴子、岡本綾らがそれぞれの持ち味を出しています。


評価(5つが最高):★★★☆
author:りゅう, category:映画, 10:03
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大沢たかお(おおさわたかお)
名前:大沢たかお ひらがな:おおさわたかお カタカナ:オオサワタカオ 生年月日:...
イケメンズ館, 2006/12/20 2:02 PM
真・映画日記『地下鉄に乗って』
10月25日(水) コートを着用。寒いからね。 昼間は少し暖かい。 仕事はそこそこに。 午後6時に終業。 虎ノ門にある「チケットフナキ」で映画のチケットを7枚買う。 『地下鉄に乗って』 『上海の伯爵夫人』 『クリムト』 『父親たちの星条旗』 『虹の女神』
CHEAP THRILL, 2006/12/20 7:14 PM