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『バンテージ・ポイント』
第79回『バンテージ・ポイント』(ジャパン・プレニアにて、"Vantage Point", 2008)

ストーリー:スペインを訪れていたアメリカ大統領が演説中に狙撃される。そこには大統領を警護していたシークレットサービス、テレビ中継していたプロデューサー、演説の様子を偶然撮影していた旅行者など8人の目撃者がいた。犯行はどのようにして行われ、犯人は一体誰なのか。やがて、事件に隠された真相が明らかになっていく−

 東京国際フォーラムで行われたジャパン・プレミアにはデヴィ夫人や叶姉妹、デーブ・スペクターさんなど著名人が数多く来場していました(オバマ&ヒラリーそして織田裕二のそっくりさんの来場も話題になっていましたが)。

 作品自体は一言で言うと「残念」。登場人物それぞれの視点から大統領銃撃事件を追うというアイディアはよかったのですが、最近には珍しく90分という短さのせいか、消化不良。なぜ犯人は犯行に走ったのか、現場復帰したシークレットサービスのトラウマ、一人旅をしている旅行者の過去など映画に重要な役割を果たすはずの背景がほとんど語られていません。『LOST』で人気が出たマシュー・フォックスに、フォレスト・ウィッテカー、ウィリアム・ハートというふたりのオスカー俳優、さらにデニス・クエイド、シガーニー・ウィーヴァーなど重厚な演技ができる役者が揃っていただけに、その奥行きのなさが残念です。

 複数の登場人物の視点から描くというのは、『パルプ・フィクション』など過去にもありますが、この作品は何度も何度も同じ時間に戻っていくため、なかなか物語が進まずいらいらします。おそらく、そういうフラストレーションを解消するために後半は一気にアクションの連続にして、スピーディーに展開させたように感じます。しかし、せっかく斬新な手法をとっているのなら、黒澤映画の『羅生門』のように「皆の証言が食い違っていて真相は謎」としたほうが深みが出たように思います。途中から「あいつがあやしい」というのが分かってしまう展開で、ひねりもあまりないまま終わってしまいます。

 カメラアングルや編集などはかなり計算されていて、アクションとしての臨場感はあります。3/8公開。

評価(5つが最高):★★☆

Vantage Point
Vantage Point
Original Score
author:りゅう, category:映画, 11:40
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