清原が引退しました。同期の桑田が引退したその同じ年に引退することになるとは、なんというめぐりあわせでしょうか。
怪我で苦しみ、大して活躍できなかったここ数年しか知らない人はなんでこんなに大騒ぎするのだろう、そう思っていることでしょう。確かに過去の偉大なプレイヤーに比べてると成績自体は飛びぬけているわけではありません。でも、二人はまさに「記憶に残る選手」なのです。
高校時代の彼らはまさに怪物でした。甲子園で29点をとって勝ったとき、「反則だ。まるで大人と子供だ」と感じたのを覚えています。実際KKコンビが3年だったとき、PLには今久留主、松山、内匠、立浪、片岡、野村、橋本などのちにプロで活躍する選手が同時期に在籍していました。まるで「ドカベン」の明訓高校です。甲子園で20勝をあげた桑田、甲子園で13本塁打をはなった清原。このふたつの記録は当分破られることはないでしょう。
プロ入り後もファンを魅了する選手でした。オールスターや日本シリーズなど大舞台に強い清原。野茂や伊良部らとの名勝負も強く印象に残っています。また、桑田は野球への愛情、そしてその姿勢が見ているものの心を強く打ちました。ピッチャーなのにけがをおそれずダイブしたり(結果肘に重症を負った)、復活を期してひたすらにランニングを続けたり(ランニングのしすぎで芝生がはげたその部分は「桑田ロード」といわれた)・・・
清原が最後に一軍に上がる際、引退したばかりの桑田がバッティング練習に付き合ったシーンは、彼らを20年以上見てきたものとして涙が出る思いでした。私は巨人ファンでもPLファンでもありませんが、大きな足跡を残したふたりの偉大な選手が引退したことでひとつの時代が終わった、そんな寂しい気持ちになりました。
今後は指導者として球界に帰ってきてくれることでしょう。本当にお疲れ様でした。そして素晴らしいプレイを見せてくれてありがとうございました。