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『セントアンナの奇跡』
第85回『セントアンナの奇跡』("Miracle at St. Anna", 2008)

ストーリー:ニューヨークの郵便局で切手を買いにきた客を定年間近の局員が突然射殺する事件が発生。犯人の部屋からは行方不明になっていた貴重な彫像が発見される。すべての謎は第二次大戦中のイタリアで、4人の黒人兵士が一人の少年を助けたところから始まった−

『マルコムX』など多くの黒人の戦う姿を描いてきたスパイク・リー監督らしい、骨太な作品。もちろん人種差別問題は根底にあるんですが、今回はそれだけではなく、戦争への批判、極限状況におかれた人間の心理変化、また人を信じる純粋な気持ち等、考えさせられる内容です。

 黒人だけの部隊は実際に存在したらしいのですが、まだ差別が存在した時代、兵士はかなり苦労したことでしょう。劇中でも白人の上官が本当に憎たらしいのですが、黒人だろうが普通の人間として接してくれるイタリアの村民を見て心が救われます。

 2時間40分という長い作品ですが、劇的な展開があるわけではなく無理に感動させようとか、ドラマチックに演出していないのが逆に好印象でした。奇跡というからにはなにかSF的な要素もあるのかとどきどきしましたが、そうではなく、いくつか起こる出来事のすべてが奇跡と思えるもので、見終わったあとさわやかな気持ちになれます。

 こういう作品の上映館が少ないのは本当に残念ですね。この夏オススメの1本です。

評価(5つが最高):★★★★
author:りゅう, category:映画, 23:05
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